デザイン品質向上のカギを握るポイントとは
快適なWebサイトに欠かせない"Webデザイン"。よりよいデザインを目指すには、依頼者・デザイナーとでどのような点に気を付けるべきか解説します。
Webにおいてデザインは、ユーザー体験に直接的な影響を及ぼす重要な要素であり、その品質はサイトの品質に直結すると言っても過言ではありません。
そのデザインの品質を上げるためには、どのような手段が有効でしょうか。
今回はデザインの本質を紐解き、客観的なデザインの品質について考え、その品質を向上させるためのコミュニケーションについてご紹介します。
デザインの役割
まずはじめに、”デザイン”とはなんでしょうか。
見た目が美しく見映えの良いプロダクトを作ること?ユーザーの目的に応じた設計をすること?もちろんどちらもデザインにおいて重要なことですが、それらはあくまでデザインの結果です。
デザインの本質は「誰かに何かを伝えるための最適な手段を考えること」です。
単に美的な要素を追求するだけでなく、伝えたいメッセージを効果的に受け手に届けることが重要で、その過程で「伝えたいこと」と「伝えたい人」の間のコミュニケーションを設計することがデザインの本質的な役割になります。
デザインの種別
デザインの本質は「誰かに何かを伝えるための最適な手段を考えること」とお伝えしましたが、大きく分けると情報設計とビジュアルデザインに区分されます。
情報設計は、伝えたい内容やメッセージを整理し、構造化するプロセスです。一方、ビジュアルデザインは、その内容を効果的に視覚化し、視覚的な魅力や説得力を与えます。両者は密接に関連しており、デザイン全体の体系を構築する上で欠かせない要素です。
デザインの品質
良いデザインはそれぞれの要素にはっきりとした理由があり、感覚的な好みではなく客観的な視点で評価できるということです。
情報設計であればサイトマップやワイヤーフレームを作成しますが、これらはKPIやカスタマージャーニーで定義された目的や課題解決に繋がっているか(その効果が望めそうな仮説があるか)という点が評価基準になります。ビジュアルデザインであればデザインコンセプトを定め、参考サイトやムードボードを用いて「コンセプトを体現するビジュアルとは何か」の共通認識を作ります。
そのうえで、デザインにおける各要素(カラー、タイポグラフィ、画像、余白など)が定めた印象を作れているか(その理由や根拠があるか)という点が評価基準になります。
▽コンセプト策定資料サンプル
品質向上のためのコミュニケーション
前述の通り、品質の評価基準はデザイン前に定義されています。
デザイナーは定められた基準を達成するためのアイデアを考え、その理由や根拠をしっかりと相手に伝える必要があります。デザインを目的達成や課題解決のための視覚的なコミュニケーションと捉え、作ることではなく伝えることを意識することが重要です。
デザインの依頼者であるWeb担当者の方は、デザイナーよりも深く事業内容や目的を把握しています。「依頼者目線」で目的を正しく把握し、「利用者目線」で目的が達成できるか検証することが重要です。
品質の評価基準はデザイン前に定義されていますが、実際のアウトプットを確認した際に「思っていたものと違う」ということは往々にして起こります。その場合は早い段階で軌道修正をし、改めてお互いの認識を揃える必要があります。お互いの認識が揃わないまま、影響範囲が広がってしまうことは後々重大なリスクになりえます。
また、依頼者側が修正の指示を行う際は、修正する「方法」よりも「意図」を伝えるとコミュニケーションがスムーズになります。例えば「ボタンを大きくしてください」という方法のみを指示するのではなく、「このボタンはコンバージョンボタンなので大きくして目立たせてください」と意図を合わせて伝えることで、デザイナー側から「コンバージョンカラーを設定することで大きくするよりも目立たせることができそうです」といったアイデアを引き出すことに繋がります。
まとめ
デザインの品質向上のためには品質の基準を定めることが重要です。
品質の基準を定めることで認識の齟齬をなくし、客観的で効果的なデザインに繋げることができます。
デザイン開始までに時間がかかると感じるかもしれませんが、後々のコミュニケーションコストを抑え、お互いが品質に対して納得しながら進めることができるため、依頼者も作業者も確実にメリットを実感できます。
デザインの品質向上に対してお悩みの方は、ぜひラソナへご相談ください。