先祖返りを防ぐために
大規模なWebサイト運用で発生する「先祖返り」についての対策をご紹介します。
先祖返りは、ファイルを更新する際、そのファイルが以前のバージョンに逆戻りしてしまう現象です。
先祖返りが発生すると、WEBサイトの情報の正確性と作業効率が損なわれる可能性があります。
規模の大きなWEBサイトなど、複数の開発者が関わる場合には先祖返りの発生に注意する必要があります。
先祖返りが発生する原因
先祖返りが発生する原因として、以下のような点が挙げられます。
最新のファイルではなく、古いバージョンのファイルを元に編集してしまう
先祖返りが発生する最も一般的な原因の一つは、開発者が最新のファイルではなく、古いバージョンのファイルを元に誤って編集してしまうことです。
例えば、別の開発者が最新の変更を加えた後に、その変更を知らずに古いファイルをベースに修正を加えると、先祖返りが発生します。
複数の更新で同時に同じファイルを編集してしまう
先祖返りのもう一つの一般的な原因は、複数の開発者が同じファイルを同時に編集してしまうことです。
開発者が一人の場合は各ファイルの更新タイミングを把握できますが、開発者が複数の場合は各ファイルの更新タイミングの把握が難しい場合があり、それが原因で同じファイルに対して複数の更新を同時進行してしまい、先祖返りが発生します。
ファイル管理ルールの策定やバージョン管理システムを導入していない
上記のような状況となる要因として、ファイル管理ルールの策定やバージョン管理システムを導入していないことが挙げられます。
ファイル管理ルールの確立により、チーム全体で共通のルールを定めることで先祖返りのリスクを軽減できます。
また、ファイルの変更履歴をバージョン管理システムで管理することでも同様に先祖返りのリスクを軽減できます。
先祖返りを防ぐためのファイル管理ルール
必ず最新ファイルを元に編集する
先述したように、最新のファイルではなく古いバージョンのファイルを元に編集することが先祖返りの主な原因の一つです。
この問題を解決するためには、開発者が常に最新のファイルを使用することを徹底する必要があります。
例えば、常に最新のファイルが格納されているサーバが存在する場合、必ずそのサーバからファイルをダウンロードして編集し、以前の更新時に使用したファイルなどを元にした編集を禁止するようなルールを設けることが効果的です。
編集中のファイルを重複ファイルチェックリストとしてリスト化する
同時に複数の更新で同じファイルを編集する場合、各更新で最新のファイルを元に編集したとしても、先祖返りが発生する可能性があります。
その状況を回避するために、編集中のファイルをリストにまとめることが効果的です。
他のメンバーによる編集の予定を把握することで、同時編集していることに気づけ、先祖返りが発生しないように更新を進めることができます。
公開前に、本番環境とテスト環境のソースコードを比較検証する
本番公開の直前に、本番環境とテスト環境のソースコードを比較し、不自然な差異が無いかチェックすることも有効です。
もし先祖返りが発生していた場合、編集していないはずの箇所に差異が生じるため、本番公開前に先祖返りに気付くことができます。
ファイルを編集する前にバックアップを取っておく
万が一先祖返りが発生してしまった場合、正しい状態へ修正する必要があります。
先祖返りが発生してしまうとどのような状態が正しい状態かわかりづらくなる可能性があるため、ファイルを編集する前にバックアップを取っておくことで元の状態に戻したり、正しい状態に修正しやすくなります。
まとめ
以上のとおり、先祖返りを防ぐためには、ファイル管理ルールの策定が重要です。
十分なファイル管理ルールの策定を行うためには、WEBサイトの特性や運用における事情など多角的に検討を行う必要があります。
ラソナでは、多くのクライアントとの長い関係を通じて、WEBサイト運用の際のファイル管理ルールの策定実績があります。ルール策定の要件定義からサポート可能です。
ファイル管理ルールの策定をお考えの際にはぜひラソナへご相談ください。